2024/08/20

日本皮革デザイン促進委員会では、去る1月8日~14日の期間、大丸福岡天神店本館1階アンテナプラスに於いて、オリジナルブランド「創悦」による文化イベント「創悦×JAPAN ART」を開催した。
「創悦」は、ファッションと環境の共生を目指し2015年からスタートしたレザー製品を広く国内外にPRするプロジェクト。ベジタブルタンニン鞣しのナチュラルレザーをメイン素材に、浮世絵や日本美術、文化をテーマとしたコレクションを製作。国内の熟練した職人によるハンドメイドで日本を表現したアイテムを多数展開し、国内はもとよりパリ、台湾など海外でも展示会を行っている。
今回のイベントでは、文化的事業にも注力したいという大丸側と「創悦」の方向性が合致し開催の運びとなった。ブランド創設以来のテーマである”浮世絵”を題材としたコレクションを中心に発表。今年1月よりスタートした大河ドラマ「べらぼう」(横浜流星主演)でも浮世絵がテーマとなっており、葛飾北斎の代表作「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴(赤富士)」、歌川国芳の「相馬の古内裏」などの浮世絵を大胆なトリミングで写し取ったバッグ、小物を展示。今後のブームを見据えたコレクションとして注目された。

「創悦」レザーウエア

「葛飾北斎」レザートートバッグ
植物タンニンなめしのジャパンレザーに高精細なインクジェットでプリントした
また、日本文化に古くから息づく”魔除け”をテーマに、自然への畏敬の念や共生の想いを込めた作品も展示。日本では古来より魔除けや厄除けの習慣を生活に取り入れてきたが、それは絵画、図案などとなって現代に引き継がれている。革とのコラボにより創作された魔除けや招福モチーフのアイテムも来場者に好評だった。この他、九州スペシャルとして「くまモン」コレクションの展示や、レザー絵馬を使ったワークショプも開催され、日本文化を感じられるイベントで盛り上がった。

魔除け・招福モチーフのレザーアイテム

「くまモン」レザーバッグ
©2010 kumamoto pref.kumamon ♯ K 36162
今回は客層が老若男女幅広く、SDGsの観点から「創悦」が提唱する植物タンニンなめしの革、害獣駆除による鹿革の再利用、国産の豚革などを使用した作品群に多くが共鳴。また、ものづくりの面でも賞賛の声が多く、「インバウンドの人たちは革に非常にきれいにプリントできるインクジェット技術と耐久性を含め縫製技術に一様に驚かれてました」と語る岡田育美広報部長。来場者はメイドインジャパンのものづくりを通し、革についての交流を楽しんだ。
2015年設立。皮革製造、卸、職人など皮革産業に携わる川上から川下までのメンバーにより構成。経済産業省の「皮革産業振興対策事業における皮革産業高付加価値化事業」に取組んでいる。
<メンバー>
(株)ゲンテン/(株)クイーポ、(株)敬真、(株)片柳賢二商店、(株)石橋商会、(有)MKC