2024/08/20
個展期間中、genten PARIS店ショーウインドウには、北斎の代表作である神奈川沖浪裏や、ノートルダム大聖堂をモチーフにしたスクエアトートバッグのTRANSCRIPTシリーズがディスプレイ。アイキャッチ効果は抜群
2020東京五輪に向け日本の誇る伝統文化を発信
(株)クイーポ(本社東京・岡田 敏社長)が主幹事を務める日本皮革デザイン促進委員会では、平成28年より浮世絵師「葛飾北斎」をテーマにしたオリジナルブランド「創悦」(そうえつ)を発表してきているが、今年も去る7月24~29日、genten PARIS店にて北斎レザーグッズ・パリ展示会を開催した。
同委員会は、皮革製造、皮革産業に携わる川上から川下に亘るメンバーで構成されており、日本の皮革製品のクオリティの高さを広く発信し、国内・海外の市場開拓を実現することを目的としている。展開する北斎レザーグッズは、従来のファッションブランド作りとは一線を画し、よりアートや伝統文化に軸を置いた“知的好奇心”を刺激するものづくりを行っている。
展開アイテムはバッグ、小物、帽子、シャツなどのファッションアイテムを中心に、リビンググッズ、ブックカバー、スマホケース、レザーで遊ぶトントン相撲、リバーシ(オセロゲーム)などカテゴリーの幅を広げており、今回も高精細インクジェットで北斎の筆を革に写し取る「プリントレザー」、植物タンニンなめしの「ジャパンヌメ」や「害獣被害対策レザー」などを使用したコレクションを揃えた。
「創悦」がパリで個展を開くのは今回が2017年12月に続いて3回目。パリのファンにすっかりお馴染みとなった北斎の名画「神奈川沖浪裏」「凱風快晴(赤富士)」などをプリントしたバッグや、評価の高い北斎漫画、妖怪絵を描いたレザーグッズは人気のアイテムだ。
新作として登場したのは、北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」から大波のモチーフをアレンジしたレザーグッズ。バッグやパスポート、デジタル周りの小物に加え、収納桐箱や掛け時計、キャットハウス、下駄などバラエティーに富んだアイテムが並んだ。中でも好評だったのは、今年4月に火災に遭ったノートルダム大聖堂をモチーフにしたスクエアトートバッグ。敬意と復興応援の気持ちを込めて、北斎漫画とのコラボによる新柄をプリントしたもので、北斎漫画に描かれた職人たちが大聖堂を再建しているイメージが受けた。
フランスでも浮世絵・葛飾北斎は人気が高い。今回、猛暑の中で行われたが、同展には小売店(セレクトショップ中心、家具店etc)をはじめ、一般消費者、プレス関係者など幅広い客層が来店した。
今後の個展予定は、来る11月12~14日にクイーポ本社内、及び12月にタイ・バンコクにてそれぞれ開催する予定。
●日本皮革デザイン促進委員会
クイーポ創業者・岡田國久氏により創立された同委員会は2015年に本格始動。皮革製造、卸、職人など皮革産業に携わるメンバーにより構成され、経済産業省の「皮革産業振興対策事業における皮革産業高付加価値化事業」に取り組んでいる。日本国内の皮革関連事業者のため、国内外において日本の皮革製品を広報し、海外市場の開拓と国内市場の充実を図ることを目的として活動している。
2015年には京都、フィレンツェにて「琳派」をテーマとした展示会を開催。2016年には葛飾北斎をテーマにしたB to B の業界展示会を東京、パリ、フィレンツェにて開催。翌2017年には、更に上海を新たに加えた4都市にて展示会を開催した。また、昨年は羽田国際ターミナルビルにてPOP UPを開催。絵馬やブレスレットなどのワークショップも開催した。
構成メンバー/幹事:クイーポエンタープライズ〔(株)クイーポ〕、(株)中村千之介商店、(株)ラ・メール、(株)タケダ、(株)敬真、(有)M.K.C