2024/08/20
“ニッチな日本”へのニーズ
「白鳥と一緒に入れる温泉」ーー。なんじゃそりゃ?(白鳥茹だっちゃうじゃん!?)というタイトルだが、中国のSNSで、あるユーザーがアップした北海道の温泉の投稿だ。多くの「賛(いいね)」が付いて、「行きたい!」というコメントが並んでいる。
ここ数ヵ月、中国のショート動画アプリを中心としたSNSで、日本の花火大会の様子や、新しいグランピング施設の紹介投稿に多くの「賛」が付く様子(プチバズ状態になること)を見ることが増えた。前述の北海道の「秘境」を紹介するコンテンツも同様。ご存知の通り、2020年から今に至るまで、中国は厳戒なコロナ対策体制を続けており、少なくとも2022年いっぱいは海外旅行が出来ない状態。だが、いや、だからこそ、一般的になり始めていた「海外旅行」が、もう一度「憧れ」「渇望」の対象となっているのだろう。
特に、今SNSで人気が集まっているのは、花火、祭り、雪、アニメ聖地といった、中国では体験できない特別感の高いコンテンツ。ひと昔前までは「東京で買うモノTOP10!」などの買い物情報が多くを占めていたが、SNS映え、また、「3年間もの海外旅行断ち」状態から高まっている体験欲から、日本人も知らない相当ニッチな場所の情報が、中国のSNSで密かに人気となっている。
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