2024/08/20
富裕層の情報行動
前回のコラムでも触れているが、中国人富裕層に選んでもらうためには、モノが良いだけではなく、それが希少であり、また「富裕層の情報網に入り込むこと」が重要だ。では、その富裕層の情報網とはいったいどんなものなのか。彼らだけが読む雑誌や、エリートクラブのようなものがあるのだろうか?
ひと昔前の富裕層であれば違うかもしれないが、近年主流になりつつある「新貴」と呼ばれる新しい世代の富裕層(=20~30代)は、デジタルリテラシーも高く、また、世界での出来事もある程度把握していることが多い。しかし、彼らはネット上で必死に情報収集している訳ではなさそうだ。「どこで新しい情報を仕入れている?」と聞いてみると、多くの“新貴”は「友人との集まりでそういった話題になる」と回答する。
“セレブ圏子”
中国語で『圏子(ケンシ)』という言葉がある。日本語にすれば「人的ネットワーク」というところだが、中国語では、より「自分にとって意味のある繋がりのコミュニティ」というニュアンスがある。20年前までは、これがほぼ「家族/親族」という血縁による「圏子」が大きな意味を持っていたが、スマホとWeChatの登場によって数多くの「周辺圏子」が生まれていった。地域の中での繋がり、趣味の付き合いの中の繋がり、SNSだけで話をする繋がり…等々。
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