2024/08/20
“開国”後、はじめのお客は富裕層
このコラムが掲載される8月頃、世界はどのようになっているだろうか(なお執筆は5月末)。ウクライナ情勢は大きな転換を迎えた後かもしれないし、過度な円安は一定程度是正されているかもしれない。それらの予測は、政治アナリストでも経済アナリストでもない私には出来ないが、前回コラムに続き「インバウンド需要」という観点で1つだけ言えば、“中国→日本の「開国」後に最初にやってくる訪日客達は富裕層”ということ。
そもそも、中国からの日本観光は観光ビザの取得が条件となるが、その観光ビザの取得要件は2010年代に緩和され続け、同時に中国の平均所得も上昇し続けたことで、2010年代後半には「一般ホワイトカラー」が中心、という位まで富裕度は希薄化していた。
一方、このコロナ禍での「日本側の入国制限」、そして「中国側の入国制限」は、今でも一定程度続いていると考えるのが自然だろう。特に中国では、異例の三期目を狙う習近平政権が「ゼロコロナ」政策を撤回するとは考えづらく、「海外旅行に行くのは良いけれど、帰ってきたときの隔離が大変」という状況が2022年は続くはず。
但し、「上に政策あれば下に対策あり」というのが中国。大きな政策としてのコロナ対策が続いていたとしても、その下で上手く隔離期間を短期化するなどの対策も生まれていくと思われる(特にこの「ゼロコロナ」への草の根レベルでの不満が強い中においては)。そしてこの「対策」が取れるのが、様々な人脈を駆使できる富裕層達であり、中国からの訪日客が先ずは富裕層達となるのは想像に難くない。
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