2024/08/20
中国=分断された世界における「一つの最先端」
「世界の工場から、世界の市場へ」。
中国を表す言葉として10年以上前から使われてきたフレーズだ。この国では、00年代には全世界からの多くの巨大ブランドが積極投資を行い、10年代からは国策による有形無形の後押しを受ける中国ブランドが着実に力を付けてきている。競争環境だけでなく、市場の多様性と変化も非常に激しい。トップダウンの政策スピードとその威力、また、市場のプレイヤーと生活者の変化は、2020年春以降のコロナに関する中国市場の報道で、我々が目にしてきた通りだ。
中国に特化したマーケティングコンサルタントの立場から言えば、「私に任せれば大丈夫です!」と言いたいところだが、一筋縄どころか二筋三筋もいかない、そんな難しい市場。但し、この難しさは「面白い」。
企業も、人も、社会の変化に合わせ、たくましく、そして自己中心的に、持ち物、人間関係、暮らしを変化させ続けている。その表面だけを見ていると、理解するのを諦めたくなるような変化ばかり。だが、根底にある不変の価値観とそれを取り巻く情報環境を踏まえた目で見ていると、「この人たちはどんな生活なのか」「何を今後求めていくのか」という発想が膨らんでいく。そして、この変化は、「分断された世界」と言われる2020年代の「一つの最先端」へ向かう変化。今、中国を見つめることは、世界の未来を見つめることに他ならない。
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