2024/08/20
プロのものづくり集団が
システムのものづくりにも注力
革素材をメインに自社ブランドの鞄・財布小物・美容師専門のシザーケース等の企画製造販売を手掛ける㈱waji(本社大阪・菅野裕樹社長)では、メーカーと小売店をオンラインで繋ぎ、在庫確認や商品確認が簡単に出来るBtoB専用の独自マルチシステムを開発導入し、取引先小売店との実務に有効活用している。
このマルチシステムを開発・導入するにあたり、同社ジェネラルマネジャー・東京支社長の関根 塁氏は次のように話す。
「国内における鞄・袋物小売市場規模は約1兆円で、その約7割は中小規模の卸・メーカーからの仕入れで成り立っています。いわば、業界内の小売店舗と製造メーカーは一蓮托生の関係です。長引くコロナ禍で通常の営業スタイルが困難になり、また、業務にITを活用する環境が進んできたこともあって、これまでの商習慣をより効率的に変えられるよう、業界全体の生産性向上に繋がるようなシステムを開発しました」
これまでの小売店とメーカー間のやりとりを見ると、ファックスや電話、訪問による打ち合わせといった、アナログ的なコミュニケーションが主流。相互の人間関係構築という点では非常にメリットのある方法だが、それ以外の要素では非効率な部分も少なくない。(従来の業界商習慣とその問題点は次の表を参照)
今回開発した業界向けのマルチシステムは、そういった部分を改善し、また、ウイルス感染防止対策として非対面での営業活動を可能にすることで、小売店・メーカー双方の生産性向上をサポートするもの。システムのポイントは次の2つ。
◉在庫状況の見える化
(リアルタイムに商品在庫をオンラインで確認できる)
◉商品詳細の明確化
(オンライン上で商品の回転画像を公開。商品詳細を問い合わせずに確認できる)
「この2つをクリアにできるシステムがあれば、小売店・メーカー間での劇的な効率アップが見込まれます。訪問営業スタイルを縮小することで互いに時間の拘束も減り、小売店舗ではお客様への対応に集中できます。実際、取り引きのある店舗からは、『wajiがお休みの時でも、お客様からの商品問い合わせに対してすぐに在庫確認ができるので、欠品商品も入荷時期の提示ができ、販売ロスにならず助かっています』や、『都合の良い時間に詳細な画像で商品が見られるので、ディテールのチェックなどカタログよりもリアルな商品確認ができるのが便利』と、好評をいただいてます」と関根氏は話す。
同社ではこれまで、商品代金の約10%が寄付になる保護ネコ支援プロジェクト『aoneco』シリーズの寄付システムや、シザーケースブランド『aruci』で自分だけのカスタム可能なシザーケースをオンライン注文できるシステムを開発してきた経緯がある。そのノウハウを活かし、システム開発業者との協同で今回のマルチシステムを完成させた。
「当社商品のリアルタイムな在庫状況や、写真画像による詳しい商品情報は、このシステムを見てもらうことで一発解決。小売店の方々にはシステムのアプリを通じて登録していただき、専用ページでの商品確認や発注までできる仕組みとなっています。煩わしい発注作業が、ネットショッピングのような簡単さでできる感覚ですね。まだお取り引きのない店舗様でも、ご登録のみで当社の商品情報が閲覧できますので、この機会に是非お問い合せください」(関根氏)
現在、このシステムは㈱wajiだけが使用運営しているが、システムに興味のある製造メーカーや卸企業に向けても提案と販売を行う予定だ。
●問い合せ先/(株)waji
東京オフィス 担当:関根
TEL:03-6659-2589