2024/08/20
同社90年の歴史から、口金のアーカイブを公開
バッグ及び財布用金具卸・販売の㈱角田商店(角田耕平社長)は、口金、持ち手、ナスカン、尾錠、カシメ、ハトメ、ホックなど幅広い品揃えで日本の物作りに応えているが、今年創業90周年を迎えている。
その歴史を刻んできた本社ビルをこのほど一部改装し、倉庫として使われてきた地下フロアに多目的スペース「Basement」をオープン。お披露目を兼ねたイベントとして、去る5月13日から6月3日の期間、同社90年の歴史の中で扱ってきた口金を「歴史の口金展」として公開した。
この口金展は昭和20年代から現代まで、同社の豊富なアーカイブを時代ごとに展示し、時代背景からその特徴を紹介。特に昔のものには凝った口金が多く、今では作れる職人もいないような貴重なものばかり。
一方で現代の口金紹介では、現行のものを中心に真鍮製の口金や、ビーズ(穴あけ)、アルミの板枠や刻印など、別注対応できる口金を揃え、また日本製とは趣の異なる舶来物の紹介では、仕掛けやデザインの参考になるようなヨーロッパや中国のものを紹介した。
今回の空間作りと口金展を企画した同社専務・角田裕義氏は、「昔の口金には技術的に優れたものがたくさんあります。新製品だけではなくこうした古いものからも、今の物作りに生かしたり、口金そのものの技術向上にもつなげていただければと思います。今後は口金の展示を定期的に行っていく他、作家の作品展やワークショップにも利用していきたい」と語っている。
この口金展の後、多目的スペースでは、6月に「刺繍とがま口」(文化出版局)を出版した樋口愉美子さんの作品展を、また7月には手芸作家や布作家を招いて「がまぐちワークショップ」を開催している。
●東京都台東区鳥越2-14-10
☎︎03-3851-8186