2024/08/20
左から藤原 仁会長、川北芳弘TLA座長、キャンペーンキャラクターの関口メンディーさん、ゲストの岡田結実さんと雪平莉左さん、JA全農ミートフーズ㈱中村哲也社長
プレゼントキャンペーンを通じ
革・革製品がサステナブルであることをアピール
一般社団法人日本皮革産業連合会(藤原 仁会長)では、皮革・革製品のサステナビリティを発信していくプロジェクト、「Thinking Leather Action」(シンキングレザーアクション/TLA)を展開しており、その一環として、JA全農ミートフーズ㈱協力のもと「お肉を食べて革製品を使おう!キャンペーン」を、9月1日から10月31日までの期間に開催する。(本紙14めん広告掲載)
このキャンペーンは、“革が食肉の副産物でありサステナブル”であることを周知し、革製品への理解促進を目的としており、特設キャンペーンWebサイトにてクイズを実施し、応募フォームからの回答者の中から抽選で、高級牛肉や革製品が当たるというもの。賞品内容は、JA全農ミートフーズ㈱提供による「黒毛和牛ロースステーキ200g×2枚」「黒毛和牛すき焼き用500g」を各250名分、革製品ではバッグ・鞄・財布小物・靴・ベルトなど、皮革業界関連企業による国産革製品109点を計326名分と、合計総額1000万円以上の賞品826名分が用意された。
去る8月27日には、都内でキャンペーンの発表会が開催。開会にあたり主催者挨拶として、藤原会長が組合およびTLAの活動とキャンペーンの主旨を説明した。また、TLAの座長を務める川北芳弘氏が登壇し、キャンペーンキャラクターに起用されたタレントの関口メンディーさん、2018年にベストレザーニストに選ばれた岡田結実さんのゲストを交えて、キャンペーンの内容を詳しく紹介するトークセッションを行った。
トークセッションで川北座長は、近年「革製品のために動物の命を奪っている」や「革素材の使用をやめれば、アニマルウェルフェアやアニマルライツの活動に繋がる」といった誤解や不確かな情報が増えているとし、あくまでも皮革は、畜産・食肉の副産物であると力説。同連合会が2022年に実施した消費者約1000人対象の調査アンケートでは、6割以上が「皮は食肉の副産物である」ことを理解していなかったとのこと。「お肉を食べ続ける限り皮も出る。その皮を余すところなく革製品として活用し愛用することは、エコでサステナブルなことであり、それを多くの方々に知ってもらいたい」と述べた。ゲストの2人からも、革製品にまつわるエピソードや革に対する質問が寄せられ、キャンペーンキャラクターの関口さんが「今回の川北さんの説明を聞いて改めて正しく革を理解することができた。キャンペーンを通じて、革の正しい知識、広メンディー!」と締め括った。
■キャンペーンWEBサイト
https://tlacmp2024.jlia.or.jp
JIS規定により
「革」「レザー」と呼べる製品は
動物由来のものに限定
一般社団法人日本皮革産業連合会(藤原 仁会長)では、「革」「レザー」の用語が3月にJIS(日本産業規格)にて制定されたこと、日本エコレザーの認定制度が4月に改訂されたことを受け、去る7月24日、アットビジネスセンター東京駅八重洲通り501号室にて説明会を開催した。
昨今、植物・石油由来の素材などが「○○革」「○○レザー」として商品化・呼称されることにより、消費者がバッグ・鞄・財布・靴・ベルトなど、本来の革(レザー)製品と誤認して購入してしまう事態が発生している。イタリアやフランス、スペイン、ドイツ、ブラジル、ポルトガルなど諸外国では、「革(レザー)は動物由来のものに限定する」と法律で定められており、その背景の中、日本でも国際基準であるISO規格の用語“Leather(レザー、革)”を基にしたJISが制定され、「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定する、と制定された。これにより、以下の事例が挙げられる。
●アップル・キノコ・サボテンなどから作られた素材を「○○革」「○○レザー」と呼べなくなった。商品名などに使用することも不可。
●「シンセティックレザー」「フェイクレザー」「PUレザー」「ビニールレザー」などと呼ぶことや、JISで規定した以外の商品の名称に「レザー」「革」「スエード(スウエード)」「ベロア」「ヌバック」を用いることもできなくなる。
●革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材を「ボンデッドレザー」「リサイクルレザー」「再生革」などと表記することも誤りとなり、「皮革繊維再生複合材」と呼ぶ必要があるが、「ボンデッドレザーファイバ」「レザーファイバボード」とも呼ぶことができる。
●不織布や特殊不織布、合成樹脂などを使って革の見た目に似せたものは「合成皮革」「人工皮革」と表記しなければいけない。
その他、エコレザーについても、「環境に配慮して製造される革・レザー」であると規定された。例えば、植物由来の素材や、革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材などを「エコレザー」と呼ぶことはできない。