2024/08/20
中国の富裕層を探る
今回のコラムでは、(株)レミング・CEOのマーシー石井氏に代わり、同社の上海にある子会社で、中国の現地リサーチとPR業務を担うGNF Shanghai Co., Ltd.のCOO兼リードプロデューサーを務めるVEGA ZHANG氏に、中国富裕層「新貴」の実像について紹介してもらいます。
ある『新貴』の一日
大家好! GNF ShanghaiのVega(ベガ)です。今回はレミングの石井に代わり、私から中国の富裕層事情をレポートします。
前回の連載では、中国の富裕層を大きく3つに分け、それらを簡単に解説していました。今回は、その中でも特に新しく注目されている『新貴』と呼ばれる「富裕層3.0」が具体的にイメージ出来るよう、ある新貴の一例を紹介します。
32歳の彼は、イギリスの大学を卒業し、2014年に帰国して外資系広告会社で勤務した後、2016年に友人と共にIT企業を設立。当時まだまだ高成長を遂げていたアリババのECプラットフォームで、企業に代わり店舗を運営する業務を始め、留学および外資系広告会社時でのネットワークから複数のブランドをクライアントとして扱い、現在、多くの仕事はミレニアル世代中心の10名ほどの部下に任せています。
自分の仕事には定時はなく、平日・週末も境目が明確ではありません。店舗運営の会社であるため、中国のECセールのタイミングは自らも週末まで対応することも多い。但し、仕事一辺倒という訳ではなく、平日でもジムに通い、趣味のゴルフに出掛け、流行りの会員制レストランで食事をしています。
『新貴』の嗜好性
そんな生活の中で、彼が身に着けているもの・行っていることで最も気にしているポイントが、「自分の嗜好に合うこと」と「周囲の目」。元々、人間関係がものを言う中国においては、「信頼出来る人間関係」がそのまま利益に直結します。それを大事にすることは、中国人であれば概ね共通していますが、彼が維持したい人間関係は、“自分と同ランク、若しくは少し上のランクの人”との関係です。
(続きは本紙をご覧ください)
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