2024/08/20
スペシャルイベント / TLFコラボレーション企画
東京レザーフェアが繋ぐ「デザイナー×皮革業界×マーケット」
「日本の革が持つ新たな可能性」への広がりについて模索してきた「東京レザーフェア」(略称:TLF)では、「JAPAN STANDARD」を年間テーマに、デザイナー坂部三樹郎氏とのコラボレーションを実施、12月開催の第95回TLFにてオリジナルレザーファッションショーを披露する。
去る6月に開催された革と副資材の合同展「第94回東京レザーフェア」のイベント初日には坂部氏のほか、㈱三越伊勢丹「TOKYO解放区」バイヤー 寺澤真里氏、繊研新聞記者 五十君花実氏を選定員として迎え、ファッションショーに資材提供などを行う皮革関連企業6社(㈱ニッピ・フジタ、アークレザージャパン㈱、オールマイティ、㈱カナメ、墨田革漉工業㈱、㈱コロンブス)がプレゼンテーション形式のコンペティションを実施。
翌日には、豊富な仕入れソースを持つハイブリット・カンパニー「㈱ニッピ・フジタ」と、革漉など革の加⼯を専門とする「墨田革漉工業㈱」、革の魅力をより引き立てる仕上げ材を長年に渡って提供している「㈱コロンブス」の3社がコラボレーション企業に選出された。
その後選出企業と坂部氏ら選定員を含めパネルディスカッションを開催、日本を代表するファッションブランド「MIKIOSAKABE」とのコラボレーションによって生み出されるレザーの可能性・新境地について意見交換された。
坂部氏、寺澤氏、五⼗君氏の3名は革への美学や、各出展社が熱い気持ちを持って⼯夫をし続けている事、革を使用した表現の広がりに可能性を感じたと感想を述べた。また、様々な革の種類や、加工技術を踏まえ、革素材が綿やナイロンなどのテキスタイルのライバルとして存在しているとコメント。
新たな市場開拓の課題を抱える皮革業界に対しては、質の良さや技術力の高さで世界的に認められる日本であっても、良いモノを懸命に作っていくだけでは、その魅力を現代の⼈々に伝えていくことは困難であると指摘。いかにしてその魅力を伝えていくのかを考える事が重要との意見も出された。
こうした業界の抱える課題を受け開催する坂部氏のオリジナルファッションショーは、革の新たな活かし方を提案する。坂部氏は「彼らの美学や技術追及に加え、デザイナー視点で市場のニーズも捉えたファッション性を如何に見せられるか、新しいものに挑戦したい。革の固定観念を払拭することで、新たな需要を見出し、市場を切り開けるのでは!!」と意欲を見せている。